どうせ死ぬのになぜ生きるのか
今週のお題「最近おもしろかった本」
面白かったというより、人生の重大な命題の本です。
「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」名越康文 著
今週のお題から若干外れるかもしれませんが、
このお題を見て紹介したい気持ちがすごくわき上がり書かせて頂きます。
- 作者: 名越康文
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/11/15
- メディア: 新書
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答えは仏教の「行」と「瞑想」の中に
他の宗教の死生観や世界観も決して劣る訳ではないです。
しかし仏教の中には、その答えを得る為の「方法」がある、
と名越先生は著書の中で述べられています。
それが「行」と「瞑想」であると。
またこの問題に対しては、人から教えられても、
「納得」が難しい命題です。
それは自分自信の中の問題だからです。
そこに到達するには自分の中から「納得」できるものが見つからないと、
決して到達できない命題でもあると思います。
今も昔もこの命題に人は悩む
自分をもっと深く掘れ!―名著『世渡りの道』を読む (知的生きかた文庫)
- 作者: 新渡戸稲造
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2006/07
- メディア: 文庫
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新渡戸稲造といえば、「武士論」が有名ですが、
私はこちらも非常に良い本だと思います。
原著「世渡りの道」だそうですが、
この「自分をもっと深く掘れ!」というタイトルも興味深いです。
こちらの本の中で、新渡戸先生の教え子達が訪ねてきます。
学生を卒業し、世に出る目的は何か?
人生を生きる目的は何か?と自分達は論じてみた。
金儲けも突き詰めればつまらなく、
名誉は今日有って明日には消え、たよりない、
快楽も人生の目的にはおぼつかない。
結局人生の目的など何もないということになってしまった。
進むべき生涯の方向性がわからない、
新渡戸先生の説を伺いたい。
新渡戸稲造ですらこの問題には即答しかねたそうです。
新渡戸先生の1つの考えは、
「抽象的」なものに頭を悩ますより、
「具体的」に自分は何のためにこの世に生きているのかを考えたい。
そこで第1歩として自分の足元から始めたい、
「自分は何をしたら一番心を満足させ得るか?」
というのが1つの指針だそうです。
「行」や「瞑想」の効果
「行」や「瞑想」はすれば◯◯というメリットがありますよ、
というからするものでなく、
本能的な自発性から行う事で、自分の中にみつかるものがある。
説明しちゃうと「行」や「瞑想」での体験が矮小化する。
しかも言葉で説明するのは限界があるから。
と名越先生は解説されています。
ただ私自身は「行」や「瞑想」で得た体験を、
話す事は悪くないと思っています。
話しても、聞いた側が「受け取る根本的なもの」を持っていなければ、
伝えても意味が無く、
矮小化するかもしれないが、「行動」へのきっかけになれば、
それは伝わった事によって人生が変わるかもしれないからです。
日本よりも欧米で注目される「瞑想」
iPhoneやMacで有名なApple社の故スティーブ・ジョブス氏は、
瞑想を行っていた事でも有名でした。
そのことで「瞑想」は今、とても広まっています。
様々な「効果」が伝えられていますが、
「本質」を知ろうと、多くの人が動いている様に思います。
私が感じてきた瞑想
「瞑想」は「密教」でも非常に重要な部分になります。
私自身10代の頃からマンガの影響もあり、
密教のことを色々調べ、自己流な行為をいくつか行いましたが、
「瞑想」はあまり重要視していませんでした。
昔は「心を落ち着ける方法の1つ」ぐらいにしか感じていませんでした。
自分の中と向き合うのを無意識に怖がってたのかもしれません。
しかし今だからこそ、「瞑想」こそが根本だと感じます。
「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」という命題の答えは、
「自分の外」には決して見つからず、
「自分の中」に「納得」できるものを見いだす必要があるから、
と今は思っています。
自分自身が「納得」できる生き方を
多くの人はこの命題にフタをして生きています。
それは悪い事ではありません。
ただ人生を真に楽しんでいる人、成功したといわれる人は、
一度は「死」について真剣に深く向き合って考えた、と聞きます。
そういった内容は色々聞く事はできますが、
「理解」と「納得」は違います。
「行」や「瞑想」を行う事で、
自分の中に「納得」できるなにかが見つかれば、
「人生」は間違いなく変わります。
少なくとも私はそう感じています。
その事を教えてくれたこの本は是非読んで欲しいです。
- 作者: 名越康文
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2014/11/15
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